税理士業務は税理士以外の方が無償でも行ってはいけないというルールがあります。
ですので、税理士には各支部が媒介して市や税務署、青色申告会、商工会議所が主催する無料税務相談に出張するという業務があります。
市主催の税理士の無料相談会
今月、月2回あるさいたま市の無料税務相談(要予約)にお伺いして数件のご相談を担当しました。
なお、担当日5日前にご担当からファックスを頂戴し、一覧で相談の概要を拝見したのですが、なかなか重い内容のご相談ばかりで驚きました。
無料の20分間
ファックスで概要をお教えいただいている方が7割ですので、予め用意した本や判例、速算表などの資料と当日に相談者様が各々の想いでご準備・持参された譲渡資料や財産一覧で疑問の解決に近づくことができたと思います。
問題は20分という短い時間制限のハードルで、20分では聞けることが限られ、ご相談者様から用意された資料だけでは解決できないことや疑問も残りました。
税理士に相談するというハードル
ご相談者様は、相続や譲渡などの一大ライフイベントをお迎えになり、普段は何ともなく過ごしていたものの、ここ数年の不動産価格の高騰や株価高騰で、思いもよらない納税負担に悩んでいる印象でした。
税理士としては税法を有利に適用するよう工夫し、不動産や保険、銀行その他の各種業者様と情報交換を行うことでできるだけ有利な申告納付に導いたり、後継者に財産を引き継いでいただけるように努力しています。
例えば、相続では戸籍謄本や住民票全部、通帳5年分、債務等、沢山の資料をご用意いただくので、ようやく全容がわかります。
土地も利用状況や相続後の利用をしっかり把握し、現地を調査したり、役所で調査して、最大限の減額を行います。
土地建物の譲渡で、取得価格がわからず譲渡対価の5%の取得費控除できない場合は95%部分に所得税がかかりますが、取得費を上げるための調査を行うこともあります。
財産を希望通りに残すためにもご相談を
あるご相談者様から終了間際に相続税額が減る対策はないかとご質問をいただいたので、ありますよ、と答えたものの時間切れになりました。
相続税の計算上、①生命保険で非課税枠が増える、②受取人指定ができることで、メリットが大きい場合、保険を有効活用することがあります。(余裕資金があり、意思能力がある場合などに限られます)。
翌週、保険業者様との用事のついでに相談し、資料を取り寄せたので市のご担当におことづけしようとしましたが、後の祭りでした。
普段、付き合いのない税理士に料金を払って相談するのに躊躇されるのは当然です。税理士は無料や少しの負担でご相談に乗る、支部主催の無料相談会もあり、時期によって空きが多い相談日などもありますので、お気軽に相談していただきたいと思います。
写真:南浦和駅前のヌゥ君