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法人成りとインボイス制度

「インボイス制度について登録するメリットは何でしょう。登録すべきかな。した方がいいんですか?」

とご質問をいただきます。10月のインボイス制度開始まで1ヶ月ちょっとのタイミングで登録すべきかどうかを迷われている方、多数。

個人の免税の方へは割と気軽に「登録しないでいいのかも、気になる場合得意先に相談してみてください」とか「2割特例が受けられるので納税分の値上げ交渉はどうですか(消費税の手間があるので、税理士報酬分の値上げもありますよ!)」とか「お得意先が簡易課税ばかりだと登録しなくていいですね」と、判定フローチャートを示してお返事しています。

法人成りで主なお得意先も法人の方は回答が複雑です。本当に登録すべきかな?と。

登録するメリットとしては得意先から受注を逃す心配は減る。信用が上がる。設立時の設備投資が大きいと還付もできる。デメリット2年間の納税義務免除を捨てることになる。消費税の納税が高い可能性がある場合、資金をためておくべき。手間が増える。(が、登録したとして、売上1,000万以下の新設法人だと2割特例で納税も思ったより少ないので登録して売上が上がった場合のメリットが勝つことも考えられます。)

基準期間の課税売上が1000万円以下や設立後で免税事業者である限り、令和 11 年9月 30 日までは、提出日から 15 日以降の事業者が希望する日にいつでも適格請求書発行事業者の登録はできます。なので、様子を見て、得意先が気にしたらその時点で登録すればいいかもしれませんね。そのかわり、免税でも6年間は得意先には消費税乗せた請求金額で構わないですよね、そのほうが得意先も8割から5割仕入税額控除できますね。と申し上げ、あげくに、自社の売上予測と仕入先と得意先の兼ね合いを見て2~3年分ざっと試算までわかりません。といった回答をすることになります。

また、登録申請してから登録まで結構待たされます…。今、しっかりe-taxで出しても1ヶ月以上かかります。紙ベースだと3か月という方もいらっしゃいました。自分の登録状況がわからないまま過ごすのは不安です。(個人なら番号通知がないと番号が不明なのでなおさら。)

そもそも2割特例ってなに!?という方。是非、税理士にご相談ください。

なお、当事務所はインボイス制度の登録をしました。今年1月1日から課税事業者です。番号の入った契約書も用意しております。課税事業者の皆様、法人の皆様ご安心ください(笑)。

※写真:きっと課税事業者のラーメン屋さんです。

   本日の心がけ 「寵利毋居人前、徳業毋落人後。受享毋踰分外、修為毋減分中。」利益は他人に先んじて手にいれようとしない。しかし人のためになる行いについて人に遅れをとってはならない。報酬を受けるときは、分をわきまえ、しかし自らの能力と人間性を磨くためには、限りない努力をする。 (菜根譚 前集16)